整体院晴々 山形院 奥山です
皆さんは歩いているときに何もないところでよくつまずいたりしませんか?
バランスが悪い方は転倒したりするときもあると思います。
なぜ足が引っ掛かるのか
原因は様々考えられますが
今日取り上げるのは「腓骨神経麻痺」です!
どういう症状かというと
足首が上に上げにくくなります! つま先が上がらないと歩く時につまずきます。
あまり聞きなじみがない方もいらっしゃると思いますのでご紹介します!
腓骨神経麻痺とは
腓骨神経は坐骨神経の末梢枝で、膝の外側(腓骨頭の近く)を浅い位置で走行するため圧迫や牽引によって麻痺が起こりやすい神経です。
特に下腿の前外側の感覚と、**足の背屈(足首を上に上げる)、外反(足先を外に向ける)**などを支配するため、この神経が障害されると特徴的な症状が生じます。
原因(なりやすい状況)
◆ 圧迫によるもの(最も多い)
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長時間の正座
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しゃがみ込み・横座り
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脚を組む習慣(腓骨頭の部分が圧迫される)
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長時間の仰臥位・側臥位(手術後など)
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体重減少によるクッション減少 → さらに圧迫に弱くなる
◆ 外傷性
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膝外傷(膝関節の脱臼、腓骨頭骨折)
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下腿のギプス圧迫
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交通事故・スポーツ外傷
◆ その他の原因
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糖尿病性ニューロパチー
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腫瘍や囊胞による圧迫(ガングリオンなど)
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神経炎(まれ)
症状
1) 運動障害
腓骨神経には「浅腓骨神経」と「深腓骨神経」があり、それぞれ違う筋肉を支配します。
● 深腓骨神経障害
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足関節背屈不能(足首を上げられない)
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母趾・足趾の伸展不能
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→ 下垂足(フットドロップ)
● 浅腓骨神経障害
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足の外反障害
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足背部の感覚障害
2) 感覚障害
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下腿の外側 〜 足背にしびれ・感覚低下
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深腓骨神経では足の第1・2趾間のしびれが特徴的
診断
◆ 1. 問診・診察
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しびれの範囲、下垂足の有無
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脚を組む習慣や正座などの有無
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圧痛・Tinel徴候(腓骨頭部の叩打で放散痛)
◆ 2. 神経伝導検査(NCS)・筋電図(EMG)
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障害部位と重症度を評価する最も重要な検査
◆ 3. 画像検査
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超音波(エコー):圧迫・ガングリオンの確認に有用
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MRI:外傷、腫瘍、脊髄疾患の鑑別
治療
◆ 1. 保存療法(多くはこれで改善)
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圧迫原因の除去(正座・脚組みを避ける)
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サポーター・クッションを使用し腓骨頭部の保護
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神経の炎症を抑える薬(ビタミンB12など)
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リハビリ(背屈筋の筋トレ、ストレッチ)
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下垂足には**装具(AFO:足継手付き装具)**で歩行をサポート
◆ 2. 外科的治療
以下の場合に検討される:
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圧迫原因が明瞭(腫瘍・ガングリオンなど)
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重度麻痺で早期改善が見込めない
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神経が明らかに断裂している
→ 神経剥離術・減圧術が行われる。
予後
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軽度なら数週間〜数ヶ月で改善
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重度(完全麻痺)や外傷性の場合は半年〜1年以上かかることも
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早期の治療・リハビリほど改善が良い
予後を悪くする要因
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完全麻痺
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重度の神経伝導ブロック
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糖尿病などの基礎疾患
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長期の圧迫
腰痛を伴った方が整形外科に行くと
下肢の疼痛や運動機能低下は「腰からきてるね」と端的にまとめられてしまうことが多いです。
実は膝下に原因があることもあります。
感覚が鈍い・動きが悪いなど感じる時は疑いがあります。
よく足が引っ掛かって困っている、歩きにくい等悩みがある方はぜひご相談下さい!
では、また書きます。







